Japanische Klassiker mit Furigana
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しゃよう
斜陽
Lesen Sie 斜陽 (しゃよう) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.822 Zeichen · 176 Bildschirme
けれども、編んでいるうちに、私は、この淡い牡丹色の毛糸と、灰色の雨空と、一つに溶け合って、なんとも言えないくらい柔かくてマイルドな色調を作り出している事に気がついた。私は知らなかったのだ。コスチウムは、空の色との調和を考えなければならぬものだという大事なことを知らなかったのだ。調和って、なんて美しくて素晴しい事なんだろうと、いささか驚き、呆然とした形だった。灰色の雨空と、淡い牡丹色の毛糸と、その二つを組合せると両方が同時にいきいきして来るから不思議である。手に持っている毛糸が急にほっかり暖かく、つめたい雨空もビロウドみたいに柔かく感ぜられる。そうして、モネーの霧の中の寺院の絵を思い出させる。私はこの毛糸の色に依って、はじめて「グウ」というものを知らされたような気がした。よいこのみ。そうしてお母さまは、冬の雪空に、この淡い牡丹色が、どんなに美しく調和するかちゃんと識っていらしてわざわざ選んで下さったのに、私は馬鹿でいやがって、けれども、それを子供の私に強制しようともなさらず、私のすきなようにさせて置かれたお母さま。私がこの色の美しさを、本当にわかるまで、二十年間も、この色に就いて一言も説明なさらず、黙って、そしらぬ振りをして待っていらしたお母さま。