Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme
時は、長久手合戦のあと、五月上旬で、家康を初め、遠参の諸将はみな小牧に出ていた。もちろん直政も不在だったが、急を前線に報じると、この珍客のため、直政は家康の旨をふくんで、一夜、井伊谷へ帰って来た。
「兵部でござる。初めて、お目にかかります」
「おお御辺が、徳川どのの御内に、井伊の赤備えと、聞えの高い、兵部直政どのか。……いや、お若いのう。それがしが、佐々成政。お見しりおかれよ」
「主人は、小牧にあって、片ときも、陣所を離れ得ませぬ。よろしく申されました。遠路のお越し、何事やらん、お会いできぬは、残念じゃが、くれぐれもと」
「いや、このたびの、御合戦には、及ばぬながらも、佐々成政、北陸にあって、一臂のお味方はいたしておる。さきに、その由は、徳川どのへ、密かに、密書いたしておいたが」
「およろこびでございます。佐々どのが、北陸において、後ろ巻くださることは、小牧に一陣をお加えあるよりは、万人力と、仰せなされました」
「されば、この成政の居るために、尾山城の於犬めも、秀吉の尾について、小牧に出られぬ始末でおざる」
「於犬とは、たれのことで」
「ご存知ないか、前田犬千代。