Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme

Aozora Bunko

約束ののろしは、空に揚らない。

もし、首尾よく、敵の警戒線をくぐり得て、笠島あたりまで行ったら、山の上から、のろしを打ち揚げて、

(脱出に成功す!)

と、城方へ、合図をする諜し合わせで出て行ったのである。

「いまもって、のろしを見ぬところをみれば、最後のお使いも、敵の目にかかったものと思われます。ああ、いかが致したものでございましょう」

大西金右衛門は、嘆息して、守将の考えを求めに来たのだった。――が、奥村助右衛門は、かれの当惑を笑って、こう慰めた。

「金右衛門。相手は、織田の勇将と、以前は、音に聞えた佐々内蔵助成政じゃよ。こんな小城一つ囲むのに、水を漏らすような手抜かりのあるわけはない。……何よりの証拠には、まず敵は、七尾とこことの中間、敷浪にも兵をやり、津幡とこことの間の川尻にも、逸早く、兵を配っている。なんのためか、存じておるか」

「さあ。用兵上のことは」

「七尾から金沢表までの、能登加賀にわたる要所の城々には、つなぎのろしの設けがあることを、佐々は、とくに、探り知っていたからだ。――すなわち、川尻、敷浪の両地を抑えれば、いかに、この末森城からのろしを揚げても、その中間が断たれているため、用をなさぬことを、狙うたものじゃよ。