Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme
左様な意見は、士気を失うのみで、われらにとって、何の益やある。助右衛門らを、見放して、敵の中に、犬死させてみよ。それこそ、世間のよい物笑いであろう」
秀継は、赤面したが、なお何とかして、利家を思い止まらせようと試みてか、わざと、卜の上手をよんで、出陣の吉凶を卜わせた。
利家は、易者と聞いて、失笑をおぼえたが、その易者をねめすえて、こういった後、占卜をとらせた。
「こら、卜者、予は必ず、末森へ向うぞよ。そのつもりで、心して易を立てい」
「……はっ」
と、卜者は、身をすくめた。そして頻りに、算卜を案じ、やがて袂のうちから一小冊をとり出すと、仔細らしく、こう答えた。
「日も吉なり、時も大吉。――軍をすすめて大功あらんとございまする。はい、お味方の御勝利はうたがいございません」
「吉か。……あははは」
利家は、手を打って、笑ったのち、その卜者に、褒美をくれて、
「朝飯、朝飯」
と、さいそくした。
すでに士卒は、兵糧をつかっていた。秀継たちは、城中に、朝食の用意をととのえたのであるが、利家は頑として、城内には入らない。
ぜひなく、そこへ膳を運んで来たが、利家は、馳走らしい物には何も箸をつけず、二コの握り飯と一椀の汁だけをすすったきりだった。