Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme
秀吉は、そういう点で、まさに、逆境の中から生れて、逆境と遊んで成人したようなものだった。
かれの今日から見れば、その栄達は、旭日昇天の早さにも見えるが、信長に随身してからでも、逆境なしという年は一年もない。
真の順調は、信長の死後、天正十年からことし十三年秋までの――ほんの二年半といってよかろう。
その二年半において、かれの生涯の大部分を築いたといえる。しかも、その一気呵成の大業もまた波瀾万丈な毎日毎日であった。
稔りの秋は、秀吉に来たのである。秀吉はこの夏、大きな収穫をやった。それは、関白となり、初めて、豊臣姓を創てたことである。
秀吉が関白となったのは、北国出征の直前であった。北陸へ立つ、つい一ヵ月前に、すでに、関白職の栄についたのであるが、戦陣中は、格式に頓着なく、従来どおり一介の武将羽柴筑前で通していたのである。
かれが、関白になり、豊臣姓を創てたのにも、かれらしい挿話がある。
秀吉の望みは、初めは、平凡だった。征夷大将軍――つまり将軍家という在来のものを、至上の職として、ひそかに、希望していたらしい。
ところが、将軍職名は、頼朝このかた、源系の者に限るような慣例になっている。