Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme
板垣修理之助をはじめ、座中の老巧な智将たちも、今さらのように、十七歳の弁次郎幸村に、啓発された面持ちであった。
「若殿のおことばこそ、実にもと、同感にたえません。三日にわたる御評議も、弁次郎様の御一語をもって、各※(二の字点、1-2-22)、腹のすわった心地がいたしましょう」
と、異口同音であった。
「では、たれが大坂城へ、使いに立つか」
という問題になると、これまた難しかった。時めく秀吉、噂にのみ聞いている大大坂の金城に入って、秀吉を説きつけるということにおいて、この山国の一小国の臣としては、己れを知る者ほど、自から怯まずにいられなかったのである。
「私が参りましょう」
幸村は、すすんで、この使いの役を、父に乞うた。
そして、従者には、板垣修理之助を希望した。修理之助は、客臣として身をよせている浪人だが、その父は、甲州の名将として有名な板垣信形であり、日頃、於弁ともよく気心が合っていた。
「ゆめ、徳川家の者に、気どられるなよ」
父や一族は、於弁に細心の注意を与えた。
旅立つ二人は、田舎武士の兄弟ふたりが、修行がてら、上方見物にでも上るような態に見せて、中仙道木曾路から、大坂へ潜行した。