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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme

Aozora Bunko

加うるに、かれらは小牧以来、やや自負しすぎていた。また、真田一族なるものを、単に、それだけの地方的小武族と、見くびっていた。

たちまち、混乱が起った。

「町屋は、焼くな」

「火を放けろ、焼き立てろ」

まったく反対な二号令が、同じ寄手から起っているまに、もう諸方から、もうもうたる黒煙が立った。

往来は複雑で、通りぬけられるかと思うと、行きどまりだ。西へ出るかと思うと、東へ出てしまう。

大軍だけに、混乱は大きい。――しかも、城門から殺出した真田昌幸の兵は、その火や煙を利用し、出没を極め、徳川勢をいたるところに捕捉して、

「手並みを見よ」

と、痛撃を加えた。

城際から町屋へ混み入った大久保忠世の兵、鳥居彦右衛門の兵、井伊直政の隊など――どれひとり弱兵というのではないが、時と所と統率を得ないではその力も奮うすべもない。

やがて、総なだれとなり、元の陣線へ引き揚げようとするらしいのだが、その道がわからない。

そのうち、町屋の二階や、農家の戸内から、伏兵の狙撃をあびて、おびただしい死傷が積まれた。

城頭の昌幸は、旗を振って、第二の合図をした。

城下を遠く、三々伍々、逃げ散ってゆく敵の影が、やがて小高い山や、河原にかたまり、味方の集合に、焦躁している。