Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme
「では、使いをやって、説いてみよう」
滝川一益は、与十郎を味方にひき入れた手と同じ手法で、山口重政へも、利をもって、誘いをかけた。
使者にえらばれた吉田小助という武者は、馬をとばして、大野川の堤をいそぎ、やがて、川を距てて向うの城へ、
「重政どの。重政どのへ、もの申さん」
と、大声で云い入れた。
「おお、何だ小助」
城の狭間から、山口重政が、顔を出して答えるのを見て、
「やあ、重政どのか。おん身と拙者とは、年来の親友。殊に、おん身の老母は今、蟹江ノ城にあるので、この急場を賢明な御思慮によって、過らぬよう、一ムチ打って、申しに来た」
「御苦労、御苦労」
重政は遠くで笑いながら、
「何を云いに来たか、こっちでは分っておる。聞けよ小助。日ごろの朋友も、義なければ、アカの他人だ。――汝らは、長年うけた君恩をうらぎり、利に走って、蟹江ノ城を売ったな」
「いや、不義ではない。蟹江の城主佐久間甚九郎どのは、家臣を愛さず、日頃からうらみに思っていた者が多いため――ついにこんなことになり終った。重政どの、御辺も、われらと共に滝川どのの手引に応じ、羽柴筑前どのの味方になれ」
「だまれ、小助。