Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme
それにひきかえ、かれは、
「勝入を死なせたは、秀吉のぬかりでもあった。若年、彼がまだ池田勝三郎の時代から、貧乏も、夜遊びも、戦も、女買いも、共にやって来た男だけに、秀吉にとっては、何とも、忘れかぬるぞやい」
と、主従にして、むかしから友でもある彼のことを、人々に語るごとに、眼に涙すらたたえるのだった。
「於通」
一日。――かれは自身、こまごまと書面をしたためて、
「大垣まで、筑前の名代として、使いに行ってこい。正使には、浅野弥兵衛をつかわす。弥兵衛についてまいるのじゃ」
と、いいつけた。
秀吉が、かの女にもたせてやった手紙は、大垣の城にある亡き池田勝入の妻と、その母とへ、宛てたものであった。
ここ、大垣の城は、ひそと、声もない、喪の城であった。
城主の勝入をはじめ、嫡男の紀伊守や聟の森武蔵守まで、一時に三名の柱が、長久手に戦死して、のこるは、若い三左衛門輝政と、まだ十五歳の長吉だけとなった。
勝入には、まだ、老いたる母があり、未亡人となった勝入の妻とふたりで、以来、城内の持仏堂にひきこもって、涙の日ばかりを送っていたが、突然、
「筑前守さまの御名代として、浅野弥兵衛さまがお越しあそばされました」