Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme
秀吉は、こう怒っていう間、われを忘れて、自分の膝を打ちたたいた。
その音がするたびに、市助は、自分が打たれてでもいるように、下げている首を、さらに、畳へ、すりつけた。
「……されば、亡き勝入父子にも、わけて遺族の老母や妻子にも、秀吉として、何ともすまぬ心地ではあり、かたがた、孫七めにも、よッく、反省もさせ、遺族たちへの、お詫びにもと、この大垣の留守居を命じおいたのに、もう秀吉の気しきを見て、すぐ、子供の菓子ねだりのように甘えおるとは、不届きなやつ。市助ッ」
「はいッ」
「池田監物を、くれなどという、孫七めの願いは、もってのほかだぞ」
「相分りました。秀次様には、自分から、おことば通りを、よくお伝え申しあげますれば、なにとぞ、お怒りをおなだめ下さいませ。――市助の、不所存に、ござりました」
「そちも、そちだ」
「平に、おゆるしのほどを」
「不所存者は、孫七めである。なお、きっと、後日、叱りおかねばならぬ」
秀吉はやがて、大坂表へ帰ったが、帰ったあとで、長文の書簡を、甥の秀次へ送った。
この手紙には。
――秀次の長久手の醜態を叱責しているばかりでなく、日ごろから、秀次が、秀吉の甥だという気もちのもとに、とかく、わがままや慮外な振舞があることを、きつく怒りつけ、