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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme

Aozora Bunko

「はてな。どこへ?」

甘糟三平は腰をあげて降りて行った。山の中腹で、下から来る百駄の輸送隊と出会った。

「やあ」

馬上の先頭の人は、武田家の荷駄頭、佐奈田源太左衛門だった。

もとより相識のあいだから、三平はすぐたずねた。

「夥しい漆ではありませぬか。かように大量な漆桶を馬にのせて、いったい何処へ輸送するのですか」

「岐阜へじゃよ」

源太左衛門は答えて、彼の不審そうな顔いろに、説明をつけ加えた。

「一昨年、織田家から注文のあった漆が、ようやく、その量に達したので、岐阜まで送ってまいるところじゃ」

「なに、織田へ」

眉をしかめて、三平は、それは御苦労至極なと、笑いも作れないような顔をした。

「――ずいぶんお気をつけておいでなされ。路次はなかなか物騒ですぞ」

「長嶋の門徒も、よく戦うそうだの。織田軍の戦況はどうじゃな」

「主君に御報告せぬうちは、口外はなりません」

「そうそう、そちは今、その方面から帰って来た途中であったな。では、立話も憚りあり。……おさらばおさらば」

百駄に近い荷駄と、源太左衛門のすがたは、峠をこえて、西へ去った。

三平は、見送って、

「山国はやはり山国。