Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
追ッつけ、もすこし具体的に、事実をさぐって帰り着こうとぞんじますが」
「諸国にはまだ聞えわたらぬふうか」
「なんの気ぶりも見えません。おそらく甲府一門としては、かりに信玄亡きあとも、しばらくは厳秘に附して、なお信玄健在なりとしておるでしょう。――ですからもし甲州領において、何かわざとらしき積極政策や、信玄の名を謳うような兆あれば、まず十中の八、九まで、信玄の死は事実か、かろくとも重態と見てよろしいでしょう」
「ム、ウム……」
信長は二度もうなずいた。強いてでも肯定したいかのように。
ふと彼は、冷たい杯を手にして、人生五十年、化転のうちを……思いうかべていた。
しかし、舞いたい気もちは、わき上がらない。
自己の死を観るよりも、彼はひとの死を観るほうが大きく心をうごかされた。そして複雑になった。
「そちの放った天蔵は、いつ頃もどるか」
「三日のまに帰りましょう」
「横山城へか」
「いや、ここへと、申しふくませておきました」
「では、それまで、そちもこれに逗留しておるがいい」
「そのつもりでございまするが……願わくば、旅舎は御城下にとって、お召しを待ちたいとぞんじますが」