Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
「ゆう。遊んでゆけ、ゆるりと……」
女性には当りのいい信長である。藤吉郎はうれしくもあり、時々気ももめる。終日、いろいろに、春を暮らした。
夜に入ると、
「わしの小舞を見たことはなかろう。藤吉郎はたびたびじゃが」
と、夜の酒もりにも彼女を交じえた。そこには、奥の侍女、家族の老若、重臣たちも共になる。いかにも、春の夜らしい人々であった。
「……泊ってゆくがよい」
と、いわれたが、ゆうはお暇をねがった。
信長は、強いもせず、
「では、藤吉郎も帰れ」
と、彼にはにべなくいった。
人々に、囃されながら、ふたりはお城を辞した。けれど、間もなく藤吉郎ひとり、あわただしく帰って来て、
「殿は」
と、もとの酒席のおつぎへ来て、小姓にたずねた。
「ただいま、御寝所のほうへ、おひきとりになられたばかりでございます」
聞くと、藤吉郎は、いつになく忙しげに、またそこへ行って、侍臣に取次を仰いだ。
「どうしても、こよいのうちに、まいちどお目通りをねがいたい儀がございまして――」と。
旧閣瓦解
寝所にはいったが、信長はまだ衾に就いていなかった。
藤吉郎は、人ばらいを乞い、宿直が遠く退っても、なお注意ぶかく見まわしていた。