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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme

Aozora Bunko

戦のあいだは、おとなしゅうしているのが、よいお子ぞと、お父さまの仰っしゃったことを、もうお忘れか。……郎党たちに笑われたら、大きくなっても、良い大将になれませぬぞ」

母のいう理も、すこしは分る年ごろである。黙然と、聞いていたが、急に、

「戦を見たあい。いくさを見たあい」

大声で駄々泣きをはじめた。

侍役の者も、もてあましてただ眺めていた。そのあいだにも――だいぶ小歇みにはなって来たが――ばちばちと、小銃の音はきこえてくる。

長女の茶々は、もう六歳か七歳ごろ。

父の苦境や、母のかなしみや、一城の将士のもっている敵愾心なども、女の子だけに、なんとはなく分っていた。

少女にしては、ませたことばで、

「万寿。わからないことをいうものではありませんよ。おかあ様がおいとしいと思いませんか。お父さまが、敵と戦っているのがわからないんですか。……ねえ、おかあ様」

弟を、たしなめると、万寿はこっちを見て、

「なにを」

矢柄をふりかざして駈けだして来た。茶々を、打とうとするのである。

「この、お茶ッぴーめ」

茶々は、袂をかぶって、

「あれッ……」

と、母のうしろへ隠れた。

「およしなさい」