Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
そして万寿は同役の小川伝四郎がしかと背に結いつけて立ったので、木下藤吉郎も、上の姫の茶々に背をむけて、
「いざ、わたくしへ」
と、すすめたが、茶々はいやがって、どうしても母のお市の方のそばを離れないのであった。
お市の方も、離しともないように、それを抱えて、うろうろしていた。藤吉郎は、ふたりをもぎ離して、
「お怪我でもあってはなりません。たのむぞと、それがしへ仰せあった長政どののおことばにたいしても。……いざ、わたくしの背へ、しっかりと」
やさしく宥ってなどいられなかった。彼のことばは丁寧でも、彼の語気は怖かった。お市の方は、茶々を抱いて、彼の背に託した。
「各※(二の字点、1-2-22)、お支度はよいか。かならずこの木下のそばを離れぬようにして下さい。お市さま、お手を……」
藤吉郎は、背に茶々を負い、片手を出して、お市の方の手を引いて、まっ先にそこから走り出した。
お市の方も、転ばぬばかりに、つづいて出た。
けれど、藤吉郎に曳かれた手は、すぐ、無言のうちに、もぎ離していた。
そして、彼女は母らしく、あとやさきの子達に心をひかれながら、修羅のなかを、半ば、狂気したように急いでいた。