Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
また、味方にしては、幕の裾をあげて、窺っている容子がおかしい。
「待てッ」
久作は、飛びかかって、敵の鎖と筋金で固めてある片足をつかんで引ッ張った。――もし、味方だったら、同士討ちになると、大事を取ったからである。
竹中久作に、足を引ッ張られた男は、驚きもせず、振り向いた。
それは浅井方の一将とみたので久作が、
「敵だな!」
と、確かめると、
「当然ッ」
と、喚きながら、相手は、やにわに槍をしごいて、突いて来た。
「何者ッ。名乗る程の名は持たぬ奴か」
「浅井の臣、前波新八郎ッ。織田殿にこそ、この槍を見参にと参ったるに、邪魔だてする小面憎い童め。何奴だ」
「木下藤吉郎の家来、竹中久作とはわがことよ。――信長様に近づかんなど、身の程知らず。いで、久作が」
「さては、半兵衛が弟よな」
「そうだッ」
いうや否、掴んでいた敵の槍を手繰って、敵のふところへ跳びこんだ。
槍の穂が虚空へ刎ねる。
久作が太刀のつかへ手をかける寸前に、新八郎は、組みついて来た。――だんと、仰向けざまに、同体に倒れる。久作、下になる。蹴離す。――また下にねじ伏せられる。敵の指に噛みつく。新八郎やや弛む。