Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme

Aozora Bunko

あわてるな」

「じゃあ、寝ていたらいかがですか。殿さまはもうお起きになって、きちんとしていらっしゃるんだから」

「ほんとか」

いやおうなく、市松も衣服を着けて、

「どうして、今朝はこんなに、お早いんだろう。見ろ、まだ有明けの月さえあるに」

「だってきょうは、洲股から御母堂さまや夫人がた様がお着きになる日だろ」

「それにしたって、長浜へお着きは、午ごろというご予定ではないか」

「ご予定はそうでも、きっと、お心のうちで、待ち遠しくて、お寝みになれなかったにちがいない」

「そんなことがあるものか。どんな戦場の中でも、御大将が寝なかったことなどありはしない」

「それとこれとは、はなしが違うよ。於市どのなどは、親不孝だから、殿のお気もちなどは、分りっこない」

「こいつめ、また朝から生意気な」

睨みつけたが、この頃では、於虎にたいして、その睨みもあまり効きめがない。

秀吉は、風呂が好きだ。一面、無精で身のまわりをかまわないくせに、湯にはいることは好きである。

何かにつけ、一風呂浴びようという。戦場へ出ても、長陣の時などは、野原に坑を掘らせて、坑のなかに桐油紙をしきつめ、それへ湯をいっぱい汲みこんで、浸ったりした。