Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
敵はやはり浅井家の一族だとある。
浅井七郎右衛門、同玄蕃という者に、三田村右衛門大夫の兵が合体して、およそ八百人ばかりが、横山城の城戸へ枯柴の山をつんで、焼き立てているところという。
「攻口を取っている敵はそこだけか」
「搦手は山、水の手も無事です。ただ西の城戸に、鬨の声はしましたが、御城内の守りがかたいとみえ、頑として、ただ谺がするだけのようでした」
「よしッ、このまま、清水沢の鼻まで進め。忍びやかに!」
はじめて方向が示される。馬も兵もこれまで来た歩速と変りなくうごいて行く。そして清水沢の丘をうしろにひそと陣容を取った。炎を浴びている城門は近い。そこへ迫っている敵の影も蟻のように見える。時折、喊声をあげ、鉄砲をうちこみ、炎へ柴を投げこんで、火勢と共に、突き破ろうとしているのである。
藤吉郎は、鞭をあげて、
「行けッ。討て!」
ありったけな声量で号令した。馬と兵は、黒い横波となって駈けだした。そして敵のすぐ背面に迫ると、その一人一人が、からだ中からふるい出して、うわーッと一度に武者声をあげた。
藤吉郎は前進しない。彼はわずか数名の者と共にあとに残っていた。