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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

……然るに、はからず、そち達の忠義や、また筑前どのや竹中半兵衛の情誼により、ふたたび世の陽の目を仰ぐ身とはなった。――そこでみずから怖るることは、かく隻脚の不具となっても、年月経てば、いつか往年の苦しみも恩も忘れ、横着なわがままごころが、とかく不足を思い出すもの。そうあっては勿体なし、そちたちの忠義にも、亡友の恩にもすまぬ……と、わざと、定紋に藤をえらび、小袖の紋を見れば、すぐ伊丹の獄中を思い出すようにいたしたのじゃ。……われ一生の事のみではない。子々孫々忘れぬようにな」

――軍旗祭の祝いに、秀吉もその日、わざわざ山崎へ来て、歓をともにした。旗幟や馬印を見て、

「豪腹豪腹。官兵衛らしい」

と、非常に恐悦していた。

官兵衛はその日、一通の古手紙を取り出して、

「これは、殿の前で焼き捨てたいと思う」

と、いった。

「なにか?」

と、怪しんで見ると、それは秀吉から官兵衛へ与えた自筆の書状である。中国発向のとき、

――御身を兄弟とも思うぞ、永代粗略にはせぬ。

と書き送ったものである。

「こういうものがあっては、却ってよろしくありません。君臣の別は厳たるこそよけれです」