Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme
「えッ……。では」
茂助は、茫然とするほど、歓びにつつまれていた。こんなにやさしく彼が城地の明け渡しを承知しようとは、まったく予期していなかったからである。
「――だが、あわせて、この儀も慥と、筑前どのへ御念を押しておかれたい。山名の二臣は、飽くまで馘ることはならん。この城の守将は吉川経家なり。守将の責任は一切を負うもの。経家一人の切腹をもって、城中の将兵を始め、難民どももことごとく御保護の下におひき取りねがいたい。――さもなくばこの城を、無血開け渡しは成りかねると」
「仰せ、立ち帰って、主君におつたえ申しあげます」
「筑前どのの麾下浅野長吉どのとは、前々より面識もある。使者の見えたのを幸いに一書、託したいが、届けてくれるか」
「おやすいこと、お届けしましょう」
「しばし、休息していてくれ」
経家は奥にかくれて、手紙を認めて来た。それをあずかると、茂助は間もなく城を出た。
すぐ秀吉に復命した。
秀吉は浅野長吉を呼んで、書面をわたし、内容をたずねた。
「――やはり、自分の一死をもって、すべてを赦されるならば――という旨しか認めてございません」
長吉は、自分宛のその書面を、秀吉に見せた。