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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

(道中いかなる変があろうも知れぬ――)

と、秀吉の帰国を後からふと案じ出して、海上を行けと、にわかに、船手方の者へ、その用意を早打でいいつけたものとみえる。

「かくまでに、この秀吉の身を、大事と思し召し下さるのか」

と、彼は心のうちで、安土の方を振り顧らずにはいられなかった。

何条、その知己に反くべき――である。秀吉は、九鬼家の案内に従って、その夕方、大坂の川口から船に乗った。

船は、かつて、この沖で、毛利家の輸送船団を撃砕した戦歴をもっている軍船の一つである。

艤装いかめしく、大鉄砲の銃座もすえてあるし、長柄や、鈎槍なども、舷に立てならべてあった。

けれど、船楼の一間は、あたかも本丸住居の一部屋を、そのまま移して来たように、衣桁もあれば金屏風もあり、蒔絵の文棚、小鼓、香炉、火鉢、褥、膳具酒器など、ないものはなかった。

「幸いに、海上は穏やかです、どうか夜もすがらでも、お過しください。飾磨の浦に着くまでは」

と、九鬼家の家臣という三名のさむらいが、船中料理の粋をこらして、やがてそれへ伽に出て来た。

「船旅は楽でいい」

と秀吉は、近侍たちと打ちくつろいでいたところだった。