Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme
「誰に教わったのか」
「師父ワリニヤーニに教えていただきました」
「ああ、ワリニヤーニか」
「右大臣様にもよく御存じでいらっしゃいましょう」
少年は反問して来た。
「むむ、見ておる」
と、信長はうなずいてから、
「ワリニヤーニは、今どこにおるか」
「ついこのお正月までは、日本におりましたが、もう長崎を立って、媽港から印度のほうへ帰ったかもしれません。従兄弟からの手紙には、多分二十日頃出帆するだろうと書いてありました」
「そちの従兄弟とは」
「伊東アンシオと申します」
「アンシオなどとは聞き及ばん。日本名がないのか」
「伊東義益の甥、義賢のことであります」
「お。あの何か、日向飫肥の城主、伊東義益が一族のものか。そしてそちは」
「はい。義益の一子です」
信長は奇妙なおかしさにくすぐられた。この切支丹文化の花園に教育された小ましゃくれた美少年を見ながら、その親の伊東義益という男の、我武者な髯面を聯想したからである。九州大名の大友、大村、有馬などといい、またその伊東義益といい、西日本沿海の城下は、近年いよいよ濃厚に、南蛮色や欧風の文物に彩られてきた観がある。
鉄砲、火薬、望遠鏡、医薬品、皮革、染織類、日用器玩の類、何でも信長は迎え入れるに吝でない。