Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme
決して、信玄公の御子として、あなたが不肖な子というわけではない)
そう慰めているのを見ても、彼はその自然に帰してゆく時勢に反抗する理由もないし、また盲目でもないことは明瞭である。
にも関わらず、彼が、求めて死についたのは凡人の眼にこそ、驚嘆されたり、異なことのように映るが、彼自身は、元来、生死の別に、さしたる区別を持っていないし、死中生有り、生中生無し。極めて自然な行為だったにちがいないのである。
しかもその自然な行為のうちには、故信玄の恩顧に対する厚い情誼もあったし、平常、禅林の堕落に対して訓えたい気もちもあったに相違ない。しかも、その生命は枯化するなく、肉体のないいのちも、幾世にわたって、思うところの動きをなしうるのであるから、むしろ欣然として、大火焔の裡に微笑をたたえていただろうと思われる。
さて。
世変転化は、落花と倶に行く春の移りも早く、甲州の山野は信長の領下に染められ、右府信長の征旅は日程のとおりすすんだ。
三月十日。高遠城着。
同月十九日。諏訪入陣。同時に、軍政発令。
二十日。木曾義昌来謁。義昌に旧領筑摩郡に安曇を与う。
同日。穴山梅雪参礼。