Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme
これを見ても秀吉がいかに官兵衛半兵衛のふたりに嘆服し、またその扶けを徳としていたかが窺われる。
ところが。
その徳を大としていただけに、ここに秀吉の心へ、大きな傷手となることが起った。というのは――その年の雨季もすぎ、炎暑の夏もこえて、ようやく涼秋の八月になりかけた頃、半兵衛重治の病がどっと重くなって、もう今度は二度と、その病骨に、鎧具足もまとえまいと思われるような容体に陥ったことであった。
「ああ、天もついに秀吉を見捨てたもうか。まだ若い英才半兵衛に、余命をかし給わぬか」
と嘆いて、仮屋の一囲いに、秀吉も共に閉じ籠って、昼夜、看病に怠りなかったが、半兵衛の容子には、その夕べ、刻々と、危険が迫っているように見られた。
鷹之尾、八幡山などの、敵の支塁も、夕靄につつまれていた。
宵が迫る――
白い靄の中から、銃声が谺していた。秀吉は、平井山の一角に佇みながら、
「また、あの跛行どのが、余りに深入りせねばよいが」
と、敵へ迫って行ったまま、まだ帰って来ない官兵衛孝高を、案じていた。
あわただしい跫音が、その時、彼の横へ来て止まった。見ると、ぺたと、大地へ両手をついて、泣いている者がある。