Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme
急を知ると、光春は、
「これに遅れたら取り返しはつくまい」
と観て、すぐ安土の一千余名にことごとく出軍を命じ、未明、城門を出て、陽ののぼる頃、瀬田の仮橋へかかった。
――もし光秀が小栗栖に死なず、もう数里を遁れ得ていたなら、この朝、山科から大津へ出て、たとえ勝てないまでも、光春と共に最後の一戦を華やかにすることができたであろうに。すべては全く手遅れだった。
ここ瀬田の橋口も、光春の最期を見るべき所ときめて、夥しい敵影が手具脛ひいて待ちうけていた。
橋は中断されていた。橋板を剥がして、桁と杭ばかりになっている箇所だの、放火して焼き壊した跡など見える。
「近くの民家を潰して、すぐ架け渡せ」
馬上の左馬介光春の面には、何のうろたえも見えない。
附近の民家はどしどし潰された。古材木の柱や戸板はわいわい担がれて来る。或る者は、瀬田の河流に身を沈めて、橋杭を補強し、或る者は、桁を這い渡って彼方から綱を投げ、長い板を引っぱっている。
頃あいを計っていたらしく、対岸の敵勢はこの機を見ると、銃を揃えていちどに弾丸を浴びせて来た。
「身を伏せろッ」
と部下へ命じながら、自分は毅然と立ったままで、敵の弾けむりを睨んでいた明智方の足軽頭は、こめかみの辺を撃ちぬかれて、橋桁からもんどり打って河中に墜ち、ドボンと、大砲の弾が落ちたよう