Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme
ないであろう。
なぜならば、京近畿の諸民は、明智氏の滅亡を知っても、なお明日の世がどう向いてゆくか、地上の修羅がいつ熄むか、大きくそれを見とおすことはできないのみか、むしろふたたび、信長以前の乱脈な風雲が世をおおうて来るのではないかと――夜の具をかぶりながら、この夜の雷雨に夜ッぴて脅えていたろうと思われるからである。
が、夜明けとともに、一天はきれいに拭われ、ふたたび暑い夏空となっていた。
この日は、十五日である。
三井寺の本陣から見ていると、湖の東岸に当る安土の方に、濛々と黄色を帯びた濃煙が揚り始めた。
「安土が旺んに焼けております」
哨兵の報に、諸将が廻廊に出て、秀吉以下、手をかざしていると、瀬田の山岡景隆から早馬があって、
「――今朝来、江州土山に陣しておられた北畠殿(信長の第二子信雄)と、蒲生殿の勢が一手になって安土へ攻めよせ、城下城塁に火を放たれましたため、火は湖の風をうけて、安土一円をつつんでおります。――が、すでに安土にはさしたる敵兵もおりませぬゆえ、合戦というほどな合戦は行われていないものと存じます」
こう情況を伝えて来た。
秀吉ははるかにその状を想像しながら、