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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

良人の正成は小早川秀秋に仕えていたが、関ヶ原の役にやぶれて牢浪の果て、妻のお福は二代将軍秀忠の息竹千代の乳人になって柳営にあがった。有名な老女春日局はこの女性なのである。ひと年、上洛して天顔にまで咫尺するの栄すらになった。そのおり、この春日局は、いまは亡きひとながら海北友松の遺族をたずねて、

(天正十年六月の父の忌日をまつるたびに、あなた方の御先代友松どののお情けも思い出され、その御芳志は今もって忘れておりませぬ)

と、手土産の金一封を置いて東へ帰ったということである。

これをもって見れば、いよいよ海北友松の――笑而不答――の態度には、その陰にひとつの事実があったことは確からしい。

明智氏は亡んだが、桔梗の根は諸家に分脈されている。そのうちにも妙なるものは、後に伽羅沙とよばれた細川忠興夫人である。父光秀が叛旗をあげた日から最期にいたるまで――いやその後々までも、夫人がいかに世の批判と家庭のあいだに立って人知れぬ苦悩をしたかは、想像に余りあるものがある。それは一篇の戦国女性史をもってしなければ到底語りきれないものであるから、ここではこれ以上及ばないことにしておく。