Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme
「いや、それはいけますまい」
すぐ反対の声が出た。云い出したのは秀吉である。
秀吉は、勝家の提議を、まっ向から反駁した。
「何さま、お見立てとしては、宿老のお考えもよろしかろうが」
と、かろく一蹴しておいて、
「筋目から申すなれば、正しく御嫡男信忠様の跡は、三法師様こそ、御相続あるべきところではおざるまいか。国に法あり、家々にもおのずから家法はあること。下々においてすら、かような大事は紊さぬものを、まして」
勝家の面は、朱へ墨をにじませたように、感情をあらわしていた。
「アア待て、筑州」
「いや」
と圧して、秀吉はいうだけを云いつづけた。
「三法師様は、まだ御幼少と、仰せられるであろう。――が、御一門以下、柴田どの始め、宿老諸将がそろうて、お守り立ていたすからには、御幼少とて、何の御不足やあろう。忠勤をもて仰ぐ御方は、何もお年ばえの如何にあるわけではありますまい。――筑前においては、ぜひに、御筋目を正されて、三法師様をこそ、お跡目に仰ぐべきものと信じまする」
勝家は、ぐだっとしたように、懐紙を出して、衿くびの汗を押し拭っていた。大きな暗礁にのしあげたかたちである。