Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme
……あわれ、この目のきかない者を、そのようにおからかい下さいますな。と、手を合わせて拝まんばかり顫えていう。
「うそをつけッ」
部将は一歩つめて、
「目だけは、ふさいでいるが、貴様のからだのどこにも隙がない。かような物は要らないはずだ」
いきなり男のついている竹の杖をひッ奪くった。そして短刀の抜く手も見せず、杖を二つにぱんと割った。
すると竹の中から一通の書簡が落ちた。盲人の眼はいつの間にか鏡の如くまわりの兵を睨んでいた。いまはこれまでと決意したものか、突然、一方の囲みを蹴って逃げ出そうと試みた。
約二十名ほどの人数であったので、辛くもこの曲者は取り逃がさずに組みしくことができた。
がんじ縛めとなって、馬の上へ荷物のように括し上げられた後も、曲者は、
「残念だッ。今に見ていろ」
と、歯ぎしり鳴らして、何を期してか、やがてこの報復を思い知らせるぞ、というような意味を喚きつづけた。
「やかましいッ」
部将はその口へ土を喰わせた。そして馬腹へ一鞭を加え、部下二、三騎と共に西へいそいだ。
――これも同夜。
場所は、首部の間道で、偽盲の捕まったときよりも、時刻はだいぶ後であったが。