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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんじゅのことば

新樹の言葉

太宰 治

Lesen Sie 新樹の言葉 (しんじゅのことば) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.156 Zeichen · 59 Bildschirme

Aozora Bunko

けれども、長兄は、それ故に、弟妹たちから、あなどられるのも心外でならぬ。必ず、最後に、何か一言、蛇足を加える。「けれども、だね、君たちは、一つ重要な点を、語り落している。それは、その博士の、容貌についてである。」たいしたことでもなかった。「物語には容貌が、重大である。容貌を語ることに依って、その主人公に肉体感を与え、また聞き手に、その近親の誰かの顔を思い出させ、物語全体に、インチメートな、ひとごとでない思いを抱かせることができるものです。僕の考えるところに依れば、その老博士は、身長五尺二寸、体重十三貫弱、たいへんな小男である。容貌について言うなれば、額は広く高く、眉は薄く、鼻は小さく、口が大きくひきしまり、眉間に皺、白い頬ひげは、ふさふさと伸び、銀ぶちの老眼鏡をかけ、まず、丸顔である。」なんのことはない、長兄の尊敬しているイプセン先生の顔である。長兄の想像力は、このように他愛がない。やはり、蛇足の感があった。

これで物語が、すんだのであるが、すんだ、とたんに、また、かれらは、一層すごく、退屈した。ひとつの、ささやかな興奮のあとに来る、倦怠、荒涼、やりきれない思いである。