Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
はりとばしてくれ
そしてはいているスリッパも飛ばしてくれ
私はゆっくり眠りたいのだ。
落ちつかない寝床の中で、私はこんな詩を頭に描いた。下で三時の鳩時計が鳴っている。
*
(六月×日)
世界は星と人とより成る。エミイル・ヴェルハアレンの「世界」と云う詩を読んでいるとこんな事が書いてあった。何もかもあくびばかりの世の中である。私はこの小心者の詩人をケイベツしてやりましょう。人よ、攀じ難いあの山がいかに高いとても、飛躍の念さえ切ならば、恐れるなかれ不可能の、金の駿馬をせめたてよ。――実につまらない詩だけれども、才子と見えて実に巧い言葉を知っている。金の駿馬をせめたてよか……窓を横ぎって紅い風船が飛んで行く。呆然たり、呆然たり、呆然たりか……。何と住みにくい浮世でございましょう。
故郷より手紙が来る。
――現金主義になって、自分の口すぎ位はこっちに心配をかけないでくれ。才と云うものに自惚れてはならない。お母さんも、大分衰えている。一度帰っておいで、お前のブラブラ主義には不賛成です。――父より五円の為替。私は五円の為替を膝において、おありがとうござります。