Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
大酒家ではあり、居候は先方がいるなり次第に置きほうだいであったその人の、綾之助は三女に生れ、本名はお園さんである。
源兵衛の妹のお勝さんという伯母さんが、お園を貰って育て、後年の綾之助に仕立て、自分は三味線ひきになって鶴勝と名乗り、綾之助の今日ある基礎をつくったのであった。孀のお勝も源兵衛の妹だけあって気性の勝った人で、お園が男のように竹馬に乗ったりして遊ぶのを叱言もいわずに、五分刈の男姿にしておいた。町内の者がお園のことを男おんなと呼ぶのを、知っていても知らぬ顔をしていた。
新町の畳屋の近所に男義太夫の新助というのがあった。お園が七ツのおりにその新助が「由良の港の山別れ」を教えた。ある折、一段語りおえて、親たちを嬉しがらせたあとで、
「御褒美のかわりにお酒が飲みたい」
といって、七歳のおそのやんが生一本の灘の銘酒を五合ばかり飲んで、親たちや養母を驚ろかせたりした。
新町のある茶屋に、素人義太夫の稽古会があった。素人といっても、咽喉からして義太夫そのものに合った音声を持つ土地ではあり、ことに土地で生れた芸ではあり、父祖代々、耳に親しんできた馴染の深い、鍛錬のある人たちのあつまりのこととて、到底よその土地の旦那芸とは一つにならない人たちのあつまりであると同時に、こればかりは、何処でもかわらない自慢天狗の旦那芸