Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
集めたうえに、各階級の種々の立場によって解釈され、論じられたのだった。ことに新らしい思想界の人々と、古い道徳の見地に立つ人との間には、非常に相違した説を互いに発表したりした。が、そうした立場の人たちの間にこそ、同情と理解をもって論じられもしたが、その以外では、侮蔑と嘲弄の的となった。ことに倫落した女たちは、鬼の首でも取ったかのように、得々揚々として、批判も同情もなく、殆ど吐きだすような調子であげつらうのを聞いた。また場末の寄席などの下劣な芸人は白扇で額をたたいて卑狼な言葉を弄したりした。堕落した学生たちは「運転手になるのだっけ」というような言辞をもてあそんで恥なかった。それよりも甚しいのは、我身の魂でなければならないはずの妻にむかって、女性はみなかくあるものだというような、奇矯な言葉を費やして、自らの品性までも低めてかえり見ないものさえあった。いうまでもなく、その事件は、爪はじきをするのも余儀ない人妻の「心中事件」である。けれどもそれほど不倫の行為と厭む人たちが、男女相殺の恋愛の苦悩を述べ、歎き訴えるものには、同情を寄せるのはどうしたものだろう。