Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
美の形式はあらゆる種類のものが認識される。
黒狐の毛皮の、剥製標本のような獣の顔が紋服の上にあっても、その不調和を何人も怪しまない。十年前、メエテルリンク夫人の豹の外套は、仏蘭西においても、亜米利加においても珍重されたといわれるが、現代の日本においては、気分的想像の上ですでにそんなものをば通り越してしまっている。
その奔放な心持ちは、いまや、行きつくところを知らずに混沌としている。けれども、この思い切った突飛の時代粧をわたしは愛し尊敬する。なぜならば進化はいつも混沌をへなければならないし、改革の第一歩は勇気に根ざすほかはない。いかに馴化された美でも、古くなり気が抜けては、生気に充ちみちた時代の気分と合わなくなってしまう。混沌たる中から新様式の美の発見をしなければならない。そこに新日本の女性美が表現されるのであるから――
なごやかな、そして湿やかな、噛みしめた味をよろこぶ追懐的情緒は、かなり急進論者のように見えるわたしを、また時代とは逆行させもするが、過激な生活は動的の美を欲求させ、現代の女性美は現代の美の標準の方向を表示しているともいえるし、現代の人間が一般的に、どんな生き方を欲しているかという問題をも、痛切に表現しているともいえる。