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Japanische Klassiker mit Furigana

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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

種々なこという人随分あったけれど、戯談半分なのよ。」

と、錦子は友達の真面目なのを、ごまかしてしまおうとした。

「でも、その人は、結婚を申込んだというのじゃないの。お父さんもお母さんも、御承知なのでしょ。」

「でも、どうとでも、お前の心のままにしろというから、否だといったの。だから、それは何でもないのよ。もともと友達のつもりだったのだから。」

そうはいったが錦子も、その男が、青くなったり、赤くなったりして涙ぐんだのを思い出すと気とがめもするのだった。

「あたし、一生独立しようと心に誓って、はじめは、医者になろうかと思ったのですけれど、それもだめだったし、画師になろうかとも思ったのですけれど、それも駄目。やっぱり、もともと好きな文学でと思ってるのですの。けれど、それも下手の横好きというんでしょ。自分ながら才がないので、気をもんじゃって、それで始終むしゃくしゃしているのですの。だから、この頃は写真師にでもなろうかと考えていますからって断ったの。無理じゃあないでしょ。」

と言いたした。その裏に、美妙にひかれるもののある事をさとられまいとして、雄弁だった。

「色は白いけれど変なのよ、猫背なのよ、桜津っていうので、うちの女中なんか殿様だの御前だのってほど、華族の若様ぜんとしているのよ。