Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

わざと、洋食にいたしましたのよ、自慢の料理人でございます。軽井沢へゆきますのに連れてゆくために、特別に雇ってある人ですの。」

その、御自慢の料理人が、腕を見せたお皿が運びだされた。

「明日は泉鏡花さんも見えるでしょうよ、あの方の厭がりそうなものを、だまって食べさせてしまうの、とてもおかしゅうござんすわ。」

泥鼈ぎらいな鏡花氏に、泥鼈の料理を食べさせた話に、誰も彼も罪なく笑わせられた。

あたしは、鏡花さんが水がきらいで私の住んでいた佃島の家が、海に襲われたとき、ほどたってからとても渡舟はいけないからと、やっとあの長い相生橋を渡って来てくださったことを思出したり、厭いとなったら、どんな猛暑にも雷が鳴り出すと蚊帳のなかでふとんをかぶっていられるので、ある時、奈良へ行った便次に、唐招菩提寺の雷除けをもっていってあげたことを、思出したりしていた。泉さんは、厭いといえば、しんから底から厭いな方だったのだ。鏡花愛読者が鏡花会をつくって作者に声援していたころだった。欣々女史も鏡花会にはいって、仲間入りの記念にと、帯地とおなじに機らせた裂地でネクタイを造られた贈りものがあったのを、幹事の一人が嬉しがって、