Japanische Klassiker mit Furigana
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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme
「お文さんという、常磐津の地で、地弾きをしてくれる人が、あたしを可愛がってね。小石川伝通院にいた、高名な三津江師匠のところへ連れてってくれたのだが芸は怖い。」
と彼女はふとい息を吐いた。
「それまで、あたしが踊ってたのは、手ふりさ、踊りなんかじゃないのさ。それから、本当の踊りをしこまれた。」
「そういえばお師匠さん、高橋お伝をおやんなさったことがあるでしょ。」
「ああ、たしか明治十七年ごろだった。」
「いいえ、もっとあとで、見た人が、お伝になった、お師匠さんの扮装を見て、お師匠さんの若い時分――年増ぶりを見た気がしたって、言ってました。」
「あッしゃあ、あんなじゃなかったよ。」
苦りきったかげが唇をかすめたが、湯呑の銀の蓋をとって、お茶を飲んでしまった。
「もっとも、あの着附は、あの時分の年増の気のきいた好みさ。だが、あッしばかりじゃない。全体、あの『綴合於伝仮名書』というのは、いつだったかねえ、お伝の所刑は九年ごろだったから――十一、二年ごろに菊五郎が河竹黙阿弥さんに書下してもらって、そうそう裁判所のところが大詰に出るので、大道具長谷川勘兵衛さんと、裁判所まで行ったんだよ。