Japanische Klassiker mit Furigana
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かえるのゴムぐつ
新編風の又三郎
Lesen Sie 新編風の又三郎 (かえるのゴムぐつ) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.031 Zeichen · 84 Bildschirme
虔十の兄さんがあとを追って来てそれを見て云いました。
「虔十、杉ぁ植える時、掘らなぃばわがなぃんだじゃ。明日まで待て。おれ、苗買って来てやるがら。」
虔十はきまり悪そうに鍬を置きました。
次の日、空はよく晴れて山の雪はまっ白に光りひばりは高く高くのぼってチーチクチーチクやりました。そして虔十はまるでこらえ切れないようににこにこ笑って兄さんに教えられたように今度は北の方の堺から杉苗の穴を掘りはじめました。実にまっすぐに実に間隔正しくそれを掘ったのでした。虔十の兄さんがそこへ一本ずつ苗を植えて行きました。
その時野原の北側に畑を有っている平二がきせるをくわえてふところ手をして寒そうに肩をすぼめてやって来ました。平二は百姓も少しはしていましたが実はもっと別の、人にいやがられるようなことも仕事にしていました。平二は虔十に云いました。
「やぃ。虔十、此処さ杉植えるな※てやっぱり馬鹿だな。第一おらの畑ぁ日影にならな。」
虔十は顔を赤くして何か云いたそうにしましたが云えないでもじもじしました。
すると虔十の兄さんが、
「平二さん、お早うがす。」と云って向うに立ちあがりましたので平二はぶつぶつ云いながら又のっそりと向うへ行ってしまいました。