Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
」
「だって、東野さんでも俳句お作りになるんじゃありませんか。あんなのもやはり未来の美しさなのかしら。」
「さア、どういうものか今度よく訊きましょう。」
矢代は東野の後姿を眺めて云った。後ろでは二人の論争はまだ激しくつづいていた。
グランド・オペラは二十一時に始まる。千鶴子は真紀子に電話をかけ、無骨な矢代のことだからまごまごすると困るというので、自分に代ってオペラの案内を頼むと申し込んだ。ヴェルディの椿姫のこととて真紀子も喜んで千鶴子の頼みを承諾した。千鶴子の方へは勿論ピエールが迎いに来るから矢代たちと一緒に行くわけにもいかず、二人はそのまま別れて矢代だけ切符を買いにひとり出かけた。
本屋で買って来た椿姫を拾い読みしてから、夕食後矢代は初めてタキシイドを着てみた。白い手袋、エナメルの靴と身を替えて鏡の前に立って見ると、少し照れ気味な映画のギャルソンのような自分の恰好に苦笑が泛んで来るのだった。今夜だけは本物のピエールというアルマンと競争しなければならぬだけに、気骨の折れること一通りではないと思い、少し歩くと一度も練習したことのない舞台を踏むような気重さである。