Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
恋愛というものはこういうものなら長つづきする筈はない。矢代はぱちゃぱちゃと湯を浴び頭をシャワの水で冷やして、おもむろに来るべきものを待つ気持ちに立ち還った。
間もなく久慈が包を小脇にかかえて這入って来た。太い眉の下の眼が怒ったように鋭くなって少しやつれの見える顔に変っている。彼は部屋に這入るとすぐ寝台にどさりと仰向きに寝て大きく両手を拡げた。
「やっぱりここが一番いいや。のんびりとする。」
「どこへ行ってたんだ。」
矢代が訊ねても久慈は答えようとせず、眼を光らせたまま天井を仰いでいた。ひどく疲れているような彼に矢代は、
「風呂へ這入らないか。」とすすめた。
「うむ、面倒臭いや。」
「這入れよ。」
矢代はバスを一寸洗い湯を入れ換えてから、また久慈の傍へもどって来て彼のバンドをゆるめた。久慈は矢代に身の世話をさせるのが嬉しいらしく、
「おい、靴。」
と云ってついでに足も矢代の方へ突出した。
「こ奴、いやに威張ってやがる。土産はいいんだな。」
「ははははは。」
大声で笑って久慈は起き返ると急に元気よく、上衣を投げ捨て、ズボンを踏み蹴るようにまくし降ろして裸体になった。