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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

」

矢代はこう云いつつ通りに立って両側に続いているレストランやカフェーを見廻したが、どこもかしこもガラス戸を閉め降ろし、一人の客も入れていなかった。食事にあちこちとうろつき廻る度びに、どこでも拒絶されて来たらしい旅客たちは、ただ街を流れ歩いているだけだった。新しく食事に来たものらも事の真相を知るに及ぶと、通りで寄り塊ったまま、誰もひそかに薄笑いをもらして去ろうとはしなかった。そこへ罷業を奨励している政府の委員たちが、命令のまま確実に罷業が行われているかどうかを検べるために、巡視の自動車で街街を馳けて来ては、威勢よく、

「フロン・ポピュレール。」(人民戦線)

と叫ぶと固めた拳を人人の前で高く上げるのだった。それはガラス戸の中の罷業側に声援を与えるらしい声だったが、食事に困ってうろついていたものたちも、退屈まぎれにそれに和し拳を上げるものも多かった。

矢代は千鶴子と一緒にまた街を歩いていくに随い、食事場だけとは限らず、少し大きな商店はどこも店を閉めていて、どの入口のところにも店員の通いを喰いとめる罷業委員が張番をしていた。

「いよいよ波をかぶって来ましたな。