Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
ポーランドからソビエットへ入るまでの二人は、部屋も別別だったからまだそれほど親しさもなかった。しかし、ソビエットの国境で乗り換えいよいよシベリヤ行の列車になってからは、二人は同室になったので、寝るのも起きるのも、食事も、それから雑談まで絶えず同じようにしなければならなかった。
モスコーで四時間ほど停車の時間があったそのときも、街見物に迎いに来てくれたT社の案内の車に、南は遠慮なく乗り込み、当然のことだと思う風に悪びれず街を廻っていた。矢代も迎いのT社の特派員には南を強いて紹介せず、自分同様その社のフィルムを預った一人として、行動をともにした。またこの特派員の夫人は親切な人で、感冒で寝ていたのを起きて来て二人のために、特に車中で食べる寿司まで作ってくれたりした。
旅先きで受けた親切さは旅人は忘れがたいものだが、南にしても、これほどにされては、自分の持ち運んでいるフィルムの性質を知られたくはないらしかった。事実自分の意図とは反対なものを運んでいる南の心中を察すると、矢代も困っている彼の様子に同情せざるを得なかった。そうかと云って、捨子のようになっているA社のフィルムを見ては、それもまた気にかかり、引取人の現れるまでは育てたいらしくときどき退屈になると南は、円い鑵からフィルムを取り出して窓の方に透かして見ながら