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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

そう思うと、外国で使った金銭の額でなら、今打つこの畑の広さも手に入る見込みがつき、今さら彼は、一打ちごとに失った額の重さが身に感じられて来るのだった。

霜柱のため砂を浮き上げぼそついた土の表面が、彼の後から鮮やかな黒さを蘇らせて進んでゆく。ほんのりと温い土の香だった。矢代はこの畑に撒く肥料も、自分の家族の体中から出た物のみに限ってみたいと思った。そして、そこから生えた野菜でまた一家の身体を養うことを考え、土と血との循環も考慮に入れたかった。それにしても、なお彼に残念なことが一つだけ、頭の底から絶えず脱けず彼を追って来た。それは航海の船中で起ったある日の小事件だったが、丁度船がコロンボを出たころの夕食の後である。船客たちが集ってなごやかな雑談から無遠慮な談に移って来たとき、ある商務官が、弁護士を辞めて出て来たその隣りの青年に対い、

「君も西洋へ行くなら、自分の儲けた金で行くんだね。」

と軽く冗談を云った。誰が見てもこの青年は金持の息子に見えていたので、云う方もただ気軽に云ったのだのに、その一口に忽ち青年の顔が蒼ざめたかと思うと、皆が驚くような大声で、