Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にちにちへいあん

日日平安

山本 周五郎

Lesen Sie 日日平安 (にちにちへいあん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.297 Zeichen · 56 Bildschirme

Aozora Bunko

「しかし不必要に死ぬことはない」

こう云いながら、菅田平野は頭の中で考えていた。

――これは抑えなければならない。

もしここで殺傷沙汰を起こせば、あとで必ず責任を問われる。まずくゆけば切腹ぐらいはしなければならなくなるかもしれない。そうすると自分の目的もどうなるかわからない。この藩に仕官しようという、本来の望み(それはもう確定的だと思う)が危なくなる。ここでなんとかこの連中の血気を抑えなければだめだ。こう考えながら彼は云った。

「なぜ不必要かというとですね、かれらはすでに自分の首に縄を巻きつけている。私どもはただその縄の端を捉まえればいいんです」

「もっと具体的にいって下さい」

「かれらは陸田さんを拉致した」と菅田平野は云った、「――おそらく罪を陸田さんに転嫁するつもりでしょう、諸兄も井坂さんから聞かれたと思うが、奸物どもは押収していった書類を悪用し、陸田さんを脅迫して罪状の告白書を書かせるのだと思う、そこで私どもが陸田さんを奪い返せば、それだけでかれらの罪は暴露するわけです」

「奪い返せますか」

「むずかしいな」保川英之助がごりごりと顎の髭をさすった、「――これが陸田さんを取られないまえならいいが、なにしろ陸田さんという人質を握られているからな」