Japanische Klassiker mit Furigana
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にちにちへいあん
日日平安
山本 周五郎
Lesen Sie 日日平安 (にちにちへいあん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.297 Zeichen · 56 Bildschirme
「いや貴方にはわからない」十郎太は首を振った、「――元来が私は政治などというものに興味はないんです、しょせん政治と悪徳とは付いてまわるし、そうでない例はないようですからね、しかしそれにしても国許の状態はひどい、まるでもうめちゃくちゃなんだ」
「わかりますよ、私も御領内を通って来ましたからね」と菅田平野が云った、「――あんなに百姓や町人の窮迫している土地も珍しい、あれこそ苛斂誅求というやつでしょうが、到るところ怨嗟の声で充満しているという感じでしたからね」
「もっとも悪いのは、かれらがその声を無視することです、家中にだって批判の声が起こっている、若い人間のなかにはしんけんに思い詰めている者も少なくないんだ、しかしかれらはそういう声をまったく無視して、私利私欲のために平然と政治を紊っている」
「それでもなお陸田さんは、城代家老としてなにもなさろうとしないんですね」
「日日時事みな平安なり、そう云うだけなんだ」と十郎太は唇をゆがめた、「かれらの悪徳はおまえがすでに知り、おまえの仲間が知り、心ある者が知っている、もはや隠れることはできないし、腫物はすでにうんでいる、まもなく自分からやぶれるだろう、伯父はこう云うだけさ、世の中は晴天ばかりということはないものだ、五風十雨は泰平の兆し、そうのぼせずにおちついておれとね」