Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎじんのすがた
日本の怪談
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本の怪談 (ぎじんのすがた) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.030 Zeichen · 115 Bildschirme
その麦のかさうれ時には、何時も暗くなるまで遊んでいる少年も、陽が傾く比から家に帰って往った。
しばてんと関連して、河童の話も聞かされた。それは池や川にいて、時折村の少年を死に導いた。
「あの子はえんこうにこうもんを抜かれた」
私の村では、河童をえんこうと云った。土用の丑の日には、村の農家では胡瓜を海や川に流して河童を祭った。
狸は人をたぶらかすばかりでなく、また人に憑いて禍をした。私の村で人に憑くものでは、狸のほかに犬神と云うものがあった。犬神は関東のおさき狐と同じようなもので、それは狸や狐のように一時的のものでなかった。村では犬神持ちと云われている家があって、その家にいる犬神は其処の家人の心のままになって、対手の者に憑いた。其処の女房が、隣家の蚕の生育の好いのを見て、それを羨ましく思いでもすると、犬神はすぐその蚕に憑いて一夜の中にその生育を悪くするか、其処の何人(たれ)かに憑いて、その者を病人にした。また隣家に出している漬物の色の好いのを見て、それが喫(く)いたいと思いでもすると、その犬神はすぐ隣家へ往って、その漬物の味を違えたり、家の人に憑いたりした。