Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぎじんのすがた

日本の怪談

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本の怪談 (ぎじんのすがた) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.030 Zeichen · 115 Bildschirme

Aozora Bunko

夜になって老婆と新一は奥の室へ寝床を並べてお滝を警戒していた。そして、十時比になって老婆が睡りかけたところで、表座敷でお滝が艶かしい忍び笑いをするような声をさした。新一はまた怪しい奴が来たと思ったので、いきなり跳び起きて襖を開けて跳び込んで往った。

有明の行灯の灯に照らされた、怒った眼で此方を見ている母の顔があるばかりで、べつに怪しいものの姿はなかった。

「この痴、何しに来たのだ、邪魔すると承知しないぞ」

「お母さんの笑い声が聞えたから、また彼奴が来たと思って起きたのです」

「彼奴とはなんだ、ばか、余計なことをすると承知しないぞ」

「でもお母さんが笑ったから」

「煩い」

新一はすごすごと己の寝床へ帰った。

「坊ちゃん、どうかしたのですか」

眼を覚した老婆が声をかけた。

「お母さんの笑い声がしたがら、往ってみたが、何にも見えなかったよ」

「そうですか、笑い声なんかするのは、おかしいのですね」

「おかしいよ、何が来るだろう」

「さあ」

朝になって老婆が起きてみると、お滝は皆の起きないうちに起きて顔を洗ったと見えて、表座敷へ鏡台や化粧道具を持ち込んで顔に白粉を塗っていた。