Japanische Klassiker mit Furigana
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なかじきり
日本の文学 2 森鴎外(一)
Lesen Sie 日本の文学 2 森鴎外(一) (なかじきり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.092 Zeichen · 45 Bildschirme
ひもなどを、風ひらひらと吹きなびかしたり。そのかたわらに馬立てたる白髪の翁は角ボタンどめにせし緑の猟人服に、うすき褐いろの帽をいただけるのみなれど、なにとなく由ありげに見ゆ。すこし引き下がりて白き駒控えたる少女、わが目がねはしばしこれにとどまりぬ。鋼鉄いろの馬のり衣裾長に着て、白き薄絹巻きたる黒帽子をかぶりたる身の構えけだかく、いまかなたの森蔭より、むらむらと打ち出でたる猟兵の勇ましさ見んとて、人々騒げどかえりみぬさま心憎し。
「殊なるかたに心とどめたもうものかな」といいて軽くわが肩をうちし長き八字髭の明色なる少年士官は、おなじ大隊の本部につけられたる中尉にて、男爵フォン、メエルハイムという人なり。「かしこなるはわが識れるデウベンの城のぬしビュロオ伯が一族なり。本部のこよいの宿はかの城と定まりたれば、君も人々に交わりたもうたつきあらん」といいおわるとき、猟兵ようようわが左翼に迫るを見て、メエルハイムは駈け去りぬ。この人とわが交わりそめしは、まだ久しからぬほどなれど、よき性とおもわれぬ。
寄せ手丘の下まで進みて、きょうの演習おわり、例の審判も果つるほどに、われはメエルハイムとともに大隊長の後につきて、こよいの宿へいそぎゆくに、中高につくりし「ショッセエ」