Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なかじきり
日本の文学 2 森鴎外(一)
Lesen Sie 日本の文学 2 森鴎外(一) (なかじきり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.092 Zeichen · 45 Bildschirme
道美しく切株残れる麦畑の間をうねりて、おりおり水音の耳に入るは、木立のあなたを流るるムルデ河に近づきたるなるべし。大隊長は四十の上を三つ四つもこえたらんとおもわるる人にて、髪はまだふかき褐いろを失わねど、その赤き面を見れば、はや額の波いちじるし。質樸なれば言葉すくなきに、二言三言めには、「われ一個人にとりては」とことわる癖あり。にわかにメエルハイムのかたへ向きて、「君がいいなずけの妻の待ちてやあるらん」といいぬ。「許したまえ、少佐の君。われにはまだ結髪の妻というものなし」「さなりや。わが言をあしゅう思いとりたもうな。イイダの君を、われ一個人にとりてはかくおもいぬ」かく二人の物語する間に、道はデウベン城の前にいでぬ。園をかこめる低き鉄柵をみぎひだりに結いし真砂路一線に長く、その果つるところに旧りたる石門あり。入りて見れば、しろ木槿の花咲きみだれたる奥に、白堊塗りたる瓦葺の高どのあり。その南のかたに高き石の塔あるはエジプトのピラミイドにならいてつくれりと覚ゆ。きょうの泊りのことを知りて出迎えし「リフレエ」着たる下部に引かれて、白石の階のぼりゆくとき、園の木立を洩るゆう日朱のごとく赤く、階の両側にうずくまりたる人首獅身の「スフィンクス」