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Japanische Klassiker mit Furigana

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なかじきり

日本の文学 2 森鴎外(一)

森 鴎外

Lesen Sie 日本の文学 2 森鴎外(一) (なかじきり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.092 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

食終りてつぎの間に出ずれば、ここはちいさき座敷めきたるところにて、やわらかき椅子、「ゾファ」などの脚きわめて短きをおおくすえたり。ここにて珈琲のもてなしあり。給仕のおとこ小盞に焼酎のたぐいいくつかついだるを持てく。あるじのほかには誰も取らず、ただ大隊長のみは、「われ一個人にとりては『シャルトリョオズ』をこそ」とてひと息に飲みぬ。このときわが立ちし背のほの暗きかたにて、「一個人、一個人」とあやしき声して呼ぶものあるに、おどろきてかえりみれば、この間の隅にはおおいなる鍼がねの籠ありて、そが中なる鸚鵡、かねて聞きしことある大隊長のことばをまねびしなりけり。姫たち、「あなあいにくの鳥や」とつぶやけば、大隊長もみずからこわ高に笑いぬ。

主人は大隊長と巻煙草のみて、銃猟の話せばやと、小部屋のかたへゆくほどに、われはさきよりこなたをうち守りて、珍らしき日本人にものいいたげなる末の姫に向いて、「このさかしき鳥はおん身のにや」とえみつつ問えば。「否、誰のとも定まらねど、われも愛でたきものにこそ思い侍れ。さいつころまでは、鳩あまた飼いしが、あまりに馴れて、身にまつわるものをばイイダいたく嫌えば、みな人にとらせつ。